東京都交通局のホームドア開閉を職員考案のQRコード方式にしたら、従来の20億円から270万円にコストダウン出来た

【投稿者コメント】


【キーワード】

[見習うべき表彰級貢献]、[アイデア一つで貢献]、[アナログを舐めるな]


【件名】

東京都交通局のホームドア開閉システムを、都交通局職員のアイデアQRコード方式にしたら、従来の車両搭載無線方式の20億円から、市販の機器・アプリを流用した270万円に大幅にコストダウン出来た!/都営浅草線西馬込駅でホームドアの運用が始まり、都が管理する地下鉄の全ての駅でホームドアの整備が完了した」


【投稿本文】


 先の東京五輪で、貴重な都民税が、電通土建屋の糞どもに、毟(むし)り取られたのは、記憶に新しい!

 下記の報告は、これと真逆に、都民税の出費を20億円から、その1/740の270万円に削減した上で、都民の安全な地下鉄利用に貢献したと云う、国交大臣・都知事表彰級のうれしい報告だ!

 その報告に依ると・・・

 都営浅草線西馬込駅でホームドアの運用が始まり、都が管理する地下鉄の全ての駅でホームドアの整備が完了した。東京都交通局は18日、大田区西馬込駅でホームドアの運用を開始した。これで都が管理する都営地下鉄の全ての駅で、ホームドアの整備が完了した。一般的なホームドアは、車両側からの無線を使ってドアを開閉するが、浅草線では職員が考案したQRコード方式を採用した。これに依り、車両の改修費を当初の20億円から270万円ほどに抑える事が出来たと云う事だ。QRコード方式は小田急線等でも採用されている。

■コスト20億円→270万円に

 課題だったコストカットも実現した。車両改修費を比較すると、従来の無線通信で約20億円掛かっていたのが、ドアに張り付けるQRコードステッカー代の約270万円に減った。QRコードを読み取る専用カメラの設置代を含めても、無線通信方式よりも大幅に抑えられると云う。

東京都交通局のホームドア開閉システムを促進出来たのは、都交通局職員のアイデアだった

 鉄道駅の転落事故を防ぐ為に欠かせないホームドア。東京都営地下鉄では、設置率が来年2月までに100%になる。実現のカギとなったのが、キャッシュレス決済や電子チケット、在庫管理等、日常の様々なシーンで目にする「QRコード」だ。意外にも思える技術を鉄道の現場に持ち込んだのは、現場の職員のアイデアだった。ホームドア整備に携わった都交通局車両電気部の岡本誠司さん(63)に話を伺った。

添付動画_「浅草線リニューアルプロジェクト 世界初QRコードをホームドアに」

https://www.youtube.com/watch?v=pb1_Vts_9JE


www.youtube.com

■ホームドア開閉のアリゴリズム(処理方式)

 単にホームドアを取り付けるだけでなく、車両扉の開閉操作に合わせてホームドアが連動して動く様に、車両を改造する必要があるのだとか。その理由について岡本氏は次の様に語る。

 「ホームドアを開け閉めして、車両も開け閉めする2段階操作にすると、乗務員の負担が増えます。ホームドアを閉め忘れる危険性もあるので、操作を着実に行う為には、電車の停車時間が延びる事も考えられます。そうなると今まで通りのダイヤが組めなくなります。従来通りの操作や運行が出来る様に、車両に通信装置を設置して、地上のホームドアに開閉の指示を出す様にしています」

 ホームドアの設置に加えて、車両の改造も必要になるので、それらを総合すると、1駅当たり4~5億円の費用が必要になるのだそうだ。この費用が課題となり、なかなかホームドアの普及が進まないのが現状だ。

 そこで考えられたのが、今回の新型QRコードを活用した方法だ。ホームの上に取り付けられたホームドア開閉制御システムで車両扉のQRコードを読み取り、その動きから扉の状態を検知して、ホームドアの開閉を行う。乗務員は従来通り、扉の開け閉めの操作をするだけ。各車両にQRコードを貼ると云う作業が発生するものの、車両を改造する事は無いので、費用は格段に抑えられるのだそうだ。(添付図1及び添付図2参照)

【列車検知の仕組み】

 このシステムを構成する上で重要なのは、QRコードが左右の車両ドアに貼付されている点だ。列車の到着→ドア開閉→出発までの一連の流れに於いて、左右のQRコードは以下の様に動く。

・列車がホームに進入=左右のQRコードが同じ方向に移動
・列車が定位置に停止=QRコードの動きが停止
・車両ドアが開閉=左右のQRコードが別々の方向に移動
・列車が出発=左右のQRコードが同じ方向に移動

 この様に、左右のQRコードは、列車自体が移動している時は、同じ方向に移動して、ドアが開閉している時は別々の方向に移動するので、列車の状態を正しく判別する事が出来る。そして、同時にQRコードから編成両数・ドア数等の情報を読み取って対応するだけのホームドアを制御する。


 いわば、左右のドアにQRコードを貼り付けると云う、一見、アナログ的な対処方法だが、このアイデアのポイントは、左右2枚のQRコードの動きで、車両ドアとホームドアとの同期が取れて、かつ、QRコードで記した車種・編成数で、車両ドアの開閉位置情報が読み取れる点だ!
 これで、車両に搭載した無線装置を使ってホームドアを開閉する必要が無くなったので、大幅にコスト削減出来た!


【追 記】(2023年11月18日)

 このエコな、「QRコード式ホームドア開閉システム」は、東京都民や東京都交通局に貢献しただけでなく、特許を広く、鉄道事業者に公開した事で、安全な「ホームドア開閉システム」が全国の私鉄やJRに広く普及して、安全な鉄道利用に大きく貢献する事は、特筆すべき点だ!

 設置コストが従来方式の1/740に削減出来たので、ホームドア設置に伴う運賃値上げも抑制出来て、鉄道利用者と鉄道事業者に、安全運行と共に、費用削減の便益ももたらした点も優れた利点だ!

 処理方式やアリゴリズム案出に行き詰まった際は、電気信号やセンサーを多用した、デジタル処理方式に固執せずに、記号情報を記載したアナログ看板方式も捨てがたく採用する事も必要だ!

 昔、工事出張の際に、富士重工(現スバル自動車)の44B(レガシー)のBody Constraction(車体製造)ライン/矢島工場の部品取り付けの制御で、車体前部に取り付けた、鋼板の最大16個のビット穴位置をレーザ光検出して、車種を判定して、車種に応じた部品(ドア等)を供給・設置する「八目鰻(やつめうなぎ)看板方式」が採用されていた事を思い出した!(ちなみに、八目鰻の鰓(えら)には、8個の呼吸穴が開いていると云う)

 確か「バーコード」が不採用だった理由は、汚濁に依る誤検出を回避する為だったと思う。

 ゆえに、「QRコード式」の弱点は、マーカペンのインクやペイント等で汚濁されて誤検知が発生しやすい点だが、QRコードを印刷したシートには、表面処理が施されて、駅員が汚濁を簡単に拭き取れるのだろう。カッターナイフ等の切り刻みや引き剥がしにも耐性処理されているのだろう。そもそも、かなりの部分が欠損しても正しく読み取れる様に、考案されていると云う。

 

【以下転載】

https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/pickup_information/news/subway/2023/sub_p_2023110611219_h.html
都営地下鉄全駅のホームドア整備が完了します!/三田線大江戸線新宿線浅草線全106駅のホームドア整備率100%達成へ」

 東京都交通局では、都営地下鉄全駅のホームドア整備完了に向け、残る浅草線で整備を進めています。

 このたび、令和5年11月18日(土)始発より西馬込駅で運用を開始し、交通局が管理する全ての駅で整備が完了しますので、お知らせいたします。

 また、京成電鉄と共同で整備を進めている押上駅も令和6年2月20日(火)に完了を予定しており、これにより、既に整備済みの三田線大江戸線新宿線と合わせ、都営地下鉄全106駅の整備が完了します。

 車両側の機器を必要としない、QRコードを用いたホームドア開閉連動技術を株式会社デンソーウェーブと共同で開発し、これらの課題を解決しました。

 なお、この技術は、他の鉄道事業者におけるホームドア整備の一助となるよう、特許をオープンにしています。

 QRコードを車両ドアに貼り、ホーム上のカメラ(読み取り装置)で編成車両数や車両ドア数などの情報やQRコードの動きを検知し、車両ドアの開閉に合わせてホームドアを開閉します。